独自データ分析

評価は年々上がっている、だから個別店の推移だけを見ても意味がない

公開: 2026-07-31

ガチスコ ヘルスケアが収集したクチコミには投稿日が付いているため、店ごとに評価が 年々どう動いているかを追えます。Googleクチコミ200件以上の栃木県の飲食店1,248店について、直近8年分の年別平均評価を調べました。

この記事のポイント

  • 2019年★3.662026年★4.00と、栃木県の飲食店全体の評価が年+0.05ずつ底上げされている。 ジャンルを問わず一様に起きている現象で、個別店の評価だけを見ても意味がない。
  • この上昇は不自然な投稿が増えたせいではない。生Google評価(年+0.03)より有効クチコミだけの平均(年+0.05) の方が速く上がっており、両者の差=嵩上げ分はむしろ縮んでいる。
  • この市場全体の底上げを差し引いても、1,248店中194が明確に評価を落とし、95店が市場を大きく上回って上昇していた。
  • 評価を落としている店の注意点(AI要約)を調べると、接客・スタッフ対応」への言及率が60%(それ以外の店は29%)で最も差が大きい。味やコスパではなく接客だった。

栃木県の飲食店、評価は年々上がっている

対象1,248店のクチコミを年別に平均すると、次のように推移していました。 比較のため2本並べています。上段がGoogleに付いた星をそのまま平均した「生Google評価」、 下段が有効クチコミだけの平均(投稿数の少ないアカウントを除き、 ★4以上は本文のあるものだけを算入)です。

年別平均評価(栃木県・飲食1,248店のクチコミ614,021件)

生Google評価(全クチコミ)有効クチコミのみ
  • 20193.933.664,848件)
  • 20203.943.6644,378件)
  • 20213.993.7646,401件)
  • 20224.003.8150,469件)
  • 20234.033.8657,634件)
  • 20244.073.9056,611件)
  • 20254.113.9679,645件)
  • 20264.154.0034,841件)

2019年の★3.66から2026年の★4.00まで、ほぼ一直線に上がっています。 ジャンル別に見ても居酒屋・バー(+0.09/年)から洋食・うどん・ラーメン(+0.06前後)まで 幅はあるものの、調べた全20ジャンルで例外なく上昇していました。 特定の人気ジャンルが押し上げているわけではなく、栃木県の飲食店全体で 起きている底上げです。つまり「この店は評価が年々上がっている」というだけでは、 その店が良くなったのか、市場全体が良くなっただけなのかが区別できません。

そして2本を見比べると、上がり方が速いのは生評価ではなく有効クチコミの方です。 生Google評価は年+0.03に対し、有効クチコミは年+0.05。結果として2本の差は2019年の0.28点から2026年には0.15点まで縮んでいます。 この差は「投稿数の少ないアカウントの星」や「本文のない高評価」による嵩上げ分にあたるので、評価が年々上がっているのは、そうした不自然な投稿が増えたからではないということになります。むしろ嵩上げ分は年々やせており、実質的な上昇は Googleの表示値が示すよりも大きい。

市場の底上げを差し引くと、動いている店が見える

そこで店ごとの年別平均から、同じ年の市場全体の平均を引き、その残差(乖離)が 年を追ってどう動くかを見ました。市場と同じペースで動いているだけの店は乖離が横ばいになり、 市場以上に良くなった/悪くなった店だけが乖離傾きを持ちます。

乖離傾きの内訳(4年以上のデータがある1,248店)

  • 市場を上回って上昇(乖離傾き+0.08/年以上)95店(8%
  • 市場と同程度(横ばい)959店(77%
  • 市場を下回って下降(乖離傾き-0.08/年以下)194店(16%

実例

市場を上回って上昇していた店は好意的な内容のため店名を出しています。 下降していた店は実在店舗の不利益記述になりうるため、ジャンルと数値だけを載せています。

市場を上回って上昇

東京油組総本店 宇都宮組
3.22ガチスコ3.4Google

東京油組総本店 宇都宮組

栃木県宇都宮市鶴田町

採用クチコミ 184/直近200

ラーメン

2023年★2.71(市場★3.86) → 2026年★4.30(市場★4.00

乖離傾き +0.46/年・母数204

AOYAカンパーニュ
3.54ガチスコ3.5Google

AOYAカンパーニュ

栃木県小山市萩島

採用クチコミ 363/566(推定)

カフェ / スイーツ

2023年★2.75(市場★3.86) → 2026年★3.66(市場★4.00

乖離傾き +0.295/年・母数422

赤から 小山店
3.99ガチスコ4.3Google

赤から 小山店

栃木県小山市城北

採用クチコミ 165/直近200

居酒屋

2020年★2.81(市場★3.66) → 2026年★4.54(市場★4.00

乖離傾き +0.216/年・母数175

市場を下回って下降(店名は伏せています)

居酒屋・バー

2023年★4.26(市場★3.86) → 2026年★2.90(市場★4.00

乖離傾き -0.392/年・母数106

ラーメン

2023年★3.85(市場★3.86) → 2026年★3.14(市場★4.00

乖離傾き -0.289/年・母数151

そば

2020年★3.38(市場★3.66) → 2026年★2.11(市場★4.00

乖離傾き -0.27/年・母数147

下降している店に共通するのは、味ではなく接客だった

市場を下回って下降していた194店について、 店舗ページのAI要約(注意点)に書かれている内容を、それ以外の店と比べました。

注意点テーマの言及率(下降194店 vs それ以外の店)

  • 接客・スタッフ対応下降60% / 他29%
  • コスパ・価格の高さ下降40% / 他34%
  • 待ち時間・混雑下降54% / 他53%
  • 量の物足りなさ下降1% / 他2%
  • 清潔感の不足下降0% / 他0%
  • 味の感じ方の差下降17% / 他17%
  • 雰囲気・環境下降8% / 他10%
  • 駐車場下降21% / 他31%

8つのテーマのうち、統計的に有意な差が出たのは接客・スタッフ対応」だけ(下降店60% vs それ以外29%)でした。 味の感じ方の差やコスパ・価格の高さはほぼ差がなく、 駐車場や雰囲気はむしろ下降店の方が言及率が低いくらいです。

ジャンル構成にも目立った偏りはなく(下降店に特定ジャンルが集中しているわけではありません)、飲食ジャンル別・高評価店舗の共通点で見た「差は注意点にあった(接客のムラ・バラつき)」という結果と同じ方向を指しています。 味が落ちたというより、接客の質が保てなくなった店から評価を落としている、というのが実態に近そうです。

集計方法と注意点

  • 対象は栃木県の飲食店のうちGoogleクチコミが200件以上ある店。 RSの深掘りモード(`--deep`)で過去年分まで遡ってクチコミを取得し直したうえで集計しています (データ取得時点: 2026-07-31)。
  • 年別平均は投稿日の新しい順に取得したクチコミ(`scrape_pass='newest'`)のみを使用。 サクラ相殺のための層化パスのクチコミは年代が偏るため年次推移の分析には使いません。
  • 「生Google評価」は、有効レビューの絞り込みだけを外して同じクチコミを単純平均したものです。 Googleが店舗ページに表示している星(全期間の平均)そのものではありません。 2本の差以外の条件(対象店舗・対象年・投稿日)は完全に揃えてあります。
  • 有効レビューの判定はガチスコの見方・使い方ガイドと同じ考え方(投稿数2件以下のアカウントは除外、★4以上は本文のあるものだけ算入)を簡略適用しています。
  • 1年あたり5件以上のクチコミがある年だけを使い、4年分以上のデータが揃う店に限定しています。
  • 乖離傾きは「店の年別平均 − 同年の市場全体平均」を年に回帰した傾き。 市場全体の平均は年間クチコミ数が少なすぎる2015〜2018年を除いた年で算出しています。
  • 下降店の実例は個別の店舗を批評する趣旨ではないため、店名は伏せてジャンルと数値のみを載せています。 上昇店の実例は好意的な内容のため店名を表示していますが、閉店済みの店は候補から除外しています。